刑法とは何か

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刑法とは何か、という問いかけに対しては、2通りの答え方が可能です。
内容面から考えてみますと、犯罪と刑罰、およびその両者の関係を規定したいっさいの法が刑法ということになります。
この広い意味での刑法は、「実質的意義における刑法」とも呼ばれますが、現在の日本にはこの意味での刑法は葯800あるといわれています。
これに対して、せまい意味で刑法というときは1907年に制定され、その後何度かの改正を経て今日に至っている刑法典を指し、これを「形式的意義における刑法」と呼ぶことができます。
私たちが刑法というときは、通常この刑法典を念頭においていることが多いと思われます。

広い意味の刑法のうち、一般刑法である刑法典以外の刑法を特別刑法といいます。
そして、特別刑法はその内部でさらに、「軽犯罪法、暴力行為等処罰ニ関スル法律や、破壊活動防止法など固有の特別刑法」と、「道路交通法、公職選挙法、大気汚染防止法、独占禁止法、金融商品取引法など、独立の禁止規定に罰則の付された特別刑法」とに分けることができます。
前者の意味での特別刑法が刑法典に付属し、これを補充するものとして、刑法典と同じようにそれ自体として反社会的・反道義的な内容をもつ行為を規制の対象としているのに対し、後者の意味での特別刑法は、刑罰を科すことによって行政取り締まり目的を達成しようとし、あるいは経済生活を統制しようとするものであって、それ自体は倫理的に無色な行為を処罰の対象としています。

一方、狭い意味の刑法である刑法典は、各個々の犯罪および刑罰に共通の問題を統括して規定した刑法総則と、各個々の犯罪について法律要件と法律効果とを規定した刑法各則とから構成されています。
たとえば、正当防衛や未遂犯、共犯に関する規定は刑法総則に置かれ、殺人罪、窃盗罪、放火罪などの規定は刑法各則に置かれています。

刑法学とは

上記で説明したような広い意味での刑法を対象とする学問分野が刑法学で、ちょうど医学において実地に病人を診察、治療する臨床医学と、人と病気についての原理を研究する基礎医学とがあるように、刑法学も、具体的事件に刑法を適用そて事案の解決を図るために、現行刑法の規範的意味を解釈によって体系的に認識することを任務とする刑法解釈学と、臨床的な刑法解釈学を理論的に支え、これに科学的素材を提供するという働きをもつ基礎刑法学とにわけることができます。
このうち、前者の刑法解釈学の目的は、どのような行為がどのような条件の下でどの程度に処罰されなければならないかを明らかにするところにあります。
つまり刑法解釈学は、刑法の役割が国民の生活利益を保護することにあるという見地から、刑罰法規の解釈を通して真に非難に値する行為を導き出すことによって、どのような行為が処罰されるのかという基準を示すとともに、他方で、犯罪者の人権をも保障するという見地から処罰の限界を明らかにして、国民に行動の準則を示すというきわめて実践的な働きをその任務としているのです。
そして、刑法解釈学は、刑法が刑法総則と刑法各則とに分けられることに対応して、犯罪と刑罰に関する一般論を研究する刑法総論と個々の犯罪類型ごとの個別問題を研究する刑法各論に分けられています。

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