仕事上のお付き合いでは、プロフェッショナルとしてお互いが求めるものを提供しあうのは当然のこと。
ですが、1個人同士としてお互いが気持ちよくコミュニケーションできるかどうかという前提も重要なポイントになります。
その重要な人間関係を作るものとして、「取引先との食事」は大切だと思います。
「この人とはちょっと一緒に食事できそうにないなあ」
というような関係では一緒に仕事をしても、なんとなくギクシャクしたり、次につながらなかったりトラブルまでいかなくても揉めそうになったりと、心がカサカサするような出来事が起きやすかったりします。
おいしいものを食べると元気になり、笑顔になります。
誰かと食事をすることは、元気や笑顔をシェアすることです。
そんな素敵な時間を共有できる方と仕事ができれば、心地よく楽しいのは当たり前です。
そのような相手となら、コミュニケーションはスムーズになり、作業効率も、製作物の質だってアップすることでしょう。
取引先と一緒に食事をすることは笑顔と元気が分け合える、ということ以外にもメリットがあります。
食事にはその人のセンスや人間性が如実に表れます。
食事をしながら相手を観察することで、いろいろなものが見えてくるのです。
しかも、そうして見えた相手の断片は、仕事のスキルに直結している場合が多々あります。
取引先と食事をする際には、下記のような点を気にして観察してみましょう。
・店の選択
相手の選ぶ店は多くを物語ります。
価格帯によって、相手がこちらをどの程度大切に思っているかが分かるし、また、金銭感覚も感じ取れます。
・メニューの選び方
「今日のオススメ」のような新しい、珍しいものにトライするのか、無難に好物ばかりを押さえるのか、自分の好きなものを頼むのか、こちらを優先するのか、相手の趣向、コミュニケーション方法の好みがわかります。
・オーダーの仕方
店員に対して要望をいかにスムーズに伝えられるかは大きなポイントです。
仕事発注、情報伝達スキルを計ることができます。
・食事の食べ方・お酒の飲み方
頼んだものを残さずきちんと食べるか、残っていても気にせず食べたいものを追加オーダーするか、嫌いなものから食べるか、好きなものを先に食べるか、こちらに了承をとらずにお酒を追加してしまうか。
仕事を進める際の方法や順序が感じ取れます。
食事と交渉
集団思考理論やストレス学で有名なジャニス博士の実験によって導かれた心理学的データに、
「食事をしている時、人は説得されやすい」
というものがあります。
この実験では、はじめにあるテーマについて意見を聞き、次にそのテーマについて説得する内容が書かれた文章を、
・お菓子を食べながら文章を読む
・単純に文章を読む
という2つのケースに分けて調べました。
すると、単に文章だけを読んだ被験者よりも、お菓子を食べながら文章を読んだ被験者のほうが、意見を変化させる傾向にあることが判明したのです。
つまり、人間は「何か食べているときに説得されやすい」ということになります。
このようなことが起こるメカニズムとしては、「食べることが人間に満足感を与える」、「満足感が説得に対する抵抗を低くする」「結果として意見を好意的に受け取りやすくなる」というのが定説です。
このことからも取引先や営業での食事の大切さがわかるでしょう。

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