性同一性障害とは、英語で「gender identity disorder」といい、WHOが定めた診断基準があります。
まず、診断基準として、「反対の性に対する強く持続的な同一感」があります。
具体的には、反対の性と同じような考え方や感じ方や行動パターンをする、手術やホルモン療法で反対の性の体になりたい、反対の性で社会的に暮らしたいなどの強い気持ちを持ったりします。
次の診断基準として、「自分の性に対する持続的な不快感、またはその性の役割についての不適切感」があります。
具体的には、男性から女性に性別を移行する人の場合、ペニスや睾丸がいやだ、声が低いのがいやだ、ひげが生えているのがいやだ、がっちりした体つきがいやだ、スーツネクタイ姿がいやだ、などがあり、女性から男性に性別を移行する人の場合、乳房のふくらみがいやだ、お尻が大きいのがいやだ、月経がいやだ、スカートがいやだ、などがあります。
しかし、性同一性障害には、身体的性別特徴には、明白な形では日典型的なものはありません。
最後の診断基準として、「その障害は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている」というものがあります。
これらの診断基準を満たすと、性同一性障害と診断されます。
日本の文献や書籍で見られる、性同一性障害のある定義は、
「生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきり認知していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態」
と定義できます。
性同一性障害と同性愛の違い
性同一性障害と同性愛は違うものです。
性同一性障害はジェンダー・アイデンティティに関することであり、同性愛は性指向に関することです。
ジェンダー・アイデンティティとは「一人の人間が男性、女性、もしくは両性として持っている個性の、統一性、一貫性、持続性」をいいます。
性指向とは、性的興味、関心、魅力などを感じる性別がどこに向くかということです。
男性が女性に、女性が男性に性指向が向けば異性愛です。
男性が男性に、女性が女性に性指向が向けば同性愛です。
男女両方に性指向が向けば量性愛です。
性同一性障害と同性愛の違いをもう少し具体的に見てみます。
たとえば、男性同性愛者は、自分を男性として認識しており、男性として男性を愛するのです。
男性を愛しているからといって、別に女性になりたいわけではありません。
スカートをはきたいとか、化粧をしたいとか、ホルモン療法や性別適合手術によって体を女性にしたいとか思っているわけではないのです。
女性同性愛者も同じことです。
女性同性愛者も自分を女性として認識しており、女性として女性を愛しているのです。
特別、男性として生きていきたいとか、男性の体になりたいと思っているわけではありません。
逆に性同一性障害を抱える人は、一般的には男性だけど女性になりたい人の場合、性的に魅力を感じる相手は、男性、女性、両性と人によって様々であり、女性だけど男性になりたい人の場合は、女性に性的魅力を感じる人が多いようです。
しかし、どのような性指向であれ、性同一性障害は性同一性障害です。
男性から女性になりたい人も、女性から男性になりたい人も男性、もしくは女性として、男性、女性、両性などに性的魅力を感じるのです。
言葉を変えていうならば、性同一性障害は自分自身、一人だけの問題です。
周りは関係ありません。
愛する相手は関係ないのです。
自分自身が、身体的性別に一致しないジェンダー・アイデンティティを持ち、苦しんでいれば、愛する性別がどうであれ、性同一性障害なのです。

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