認知的不協和とは
自分自身の環境に対するさまざまな知識や思考などを認知要素といいます。
個々の認知要素が互いに矛盾や葛藤を生じ、自分の中で不協和な状態になることを認知的不協和といいます。
認知的不協和の具体例1
フェスティンガーとカールスミスが1957年に行った不協和解消の原理について行ったん実験です。
実験を受けることになった学生たちは、一人で12個の糸巻きを容器に並べては取り出すという作業を30分間、その後は、留め金のついたボードを回しては元に戻すという非常に単調な作業をこれまた30分間繰り返しました。
作業後、学生たちに聞いた感想は、「つまらない作業だった」というものが多数でした。
この語、実験担当者から「次に作業を行う人に『面白い作業だった』と告げるように」と指示されました。
学生たちは面白いと告げる報酬として1ドル支払われるグループと、20ドル支払われるグループに分けられました。
次の作業者に面白かったと伝えた後、学生たちはあらためて実験担当者に自分の作業が面白かったかどうかを尋ねられました。
すると、報酬が20ドルだった学生の評価は当初学生が感じていた通り低かったのですが、報酬が1ドルだった学生の評価は高くなったのです。
なぜつまらないと思っていた作業が面白いという評価に変わったのでしょうか?
20ドルの報酬をもらった学生たちは、多額の報酬を得たことで、面白いと告げたことで生じた不協和を自分の中で正当化できました。
しかし、わずか1ドルの報酬では自分を正当化しきれません。
そこで、「意外と面白い部分もあった」といったように、認知を変えて不協和を解消しようとしたのです。
認知的不協和の具体例2
次にアロンソンとカールスミスが1963年に幼稚園の園児を対象に怒った認知的不協和に関する実験です。
園児を22人ずつの2つのグループにわけ、園児たちにいくつかのおもちゃで遊ばせました。
次におもちゃをペアにして、どちらがすきか、という質問を繰り返したのです。
そうして子供達の好みの順番を調べておき、2番目に好きなおもちゃで遊ぶことを禁止したのです。
禁止する際、片方のグループには「そのおもちゃで遊んだら私はとても怒り、すべてのおもちゃを持ち帰って、2度とこの幼稚園には来ない」と、厳しく禁じました。
そしてもう一方のグループには「このおもちゃで遊んだら私はとても困ってしまう」と穏やかに禁止しました。
実験の結果、どちらのグループもおもちゃで遊んだ園児はいませんでしたが、おもちゃへの魅力の評価には大きな違いが見られたのです。
厳しく禁じられたグループのうちおもちゃへの魅力が増加したのは14人、変化しなかったのは8人、減少したのは0人でした。
ところが、穏やかに禁止されたグループは、魅力が増加したのは4人、変化しなかったのは10人。
そしておもちゃへの魅力が減少したのは8人にのぼったのです。
これは穏やかに禁じられた園児たちは罰の脅威が小さいため、遊びたいけど、遊べないという不協和の状態を解消する必要性が大きくなったため、「面白くない」とおもちゃへの評価そのものを変えたと考えられるのです。
認知的不協和の具体例3
認知的不協和理論を用いた、ドラッグ乱用者の研究です。
ドラッグの乱用で捕まり、強制治療プログラムを受けた後、ドラッグを使用しての運転をやめた人は、「ドラッグは事故のリスクを高める」と考えるようになっていました。
しかし、治療後もドラッグを使用して運転をし続ける違反者の多くは、「アルコールだけが事故のリスクを高める」と考えるようになっていました。
厳しい治療を受けたにもかかわらずドラッグを用いて運転をすることは認知的不協和を引き起こすため、ドラッグの作用に対する考えを変化させて不快を解消しようとしたのです。

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